令和 3 年度 神社の注連縄など藁工芸文化を伝承 (奥出雲町老人クラブ連合会 八川寿会)

 
藁工芸部 しめ縄づくり
藁工芸部 しめ縄づくり
藁工芸部 しめ縄づくり
最高齢は 92 歳。週 2 回、歩いて通います。
和牛の手入れに使用する足半 (あしなか)。これで撫でると毛艶が良くなります。
神社へ発送する注連縄
正月飾り。これに鶴と亀を付けると評判が良いです。
正月飾りに付ける鶴と亀。段ボール 3 箱が出来ていますが、まだまだ足りません。
神社にある各宮は複数の場合も
藁工芸専用の赤穂餅 (あかほうもち) の稲は、地域の方に育てていただいています (稲わらを手にする八川寿会 会長の小早川さん)。
「横田郷土資料館」。この中の「伝習館」で藁工芸部が活動しています。
藁工芸部が活動している「伝習館」
昔の暮らしを伝える「保存館」
昔の暮らしを伝える「保存館」
昔の暮らしを伝える「保存館」
活動拠点「八川コミュニティセンター」
交通安全運動では、園児と一緒に運転者へ安全運転を呼びかけます (標語は八川寿会で作成)。
八川寿会は、奥出雲町八川地区の老人クラブです。総会や敬老の日の祝賀会など、八川コミュニティセンターを拠点に活動しています。
八川コミュニティセンターの隣にある横田郷土資料館は、以前、使われていた農機具など、昔の暮らしを伝える展示の他、来賓のおもてなしに活用されています。
そのなかの伝習館 1 階では、毎週火曜と金曜、八川寿会の藁工芸部による注連縄など藁工芸品づくりが行われています。

お話しを伺った 9 月 21 日 (火) は、遠くは和歌山から、各地の神社から注文された注連縄や正月飾りづくりが行われていました。
発送を待つ段ボール箱の中には、和牛の毛並みを整える草鞋の足半 (あしなか)、大きな注連縄もあります。
船神事のホーランエンヤで踊り手が使用する草鞋も注文を受けて作っています。
正月飾りは、毎年 100 を超える数を制作し、余裕があれば、農産物直売所の横田だんだん市場へも出しています。
園児と一緒に街頭で交通安全のメッセージを伝える交通安全運動では、標語を付けた藁の亀を配布しています。
また、公民館を通じて、地域の子どもたちに注連縄づくりを伝える体験の受け入れを行っています。

藁工芸に使用する稲藁は、地元の方にお願いして育てていただいている赤穂餅です。
昨年は、コロナの影響で注連縄の注文も減少しましたが、今年は例年並みの注文があります。
秋祭りは 10 月がピーク。注連縄づくりもこの時期大忙しです。
藁工芸部は、女性会員を中心に昭和 63 年頃からスタートし、現在は、藁工芸をはじめて 10 年ほどの 83 歳から 92 歳の男女 4 名で活動しています。
藁工芸部に携わった方々が皆さん、元気で長生きされるのは、長年、手先を使って作り上げる役割を担うからでしょうか。

また、八川寿会では、3 年ほど前から助け合い運動として移動支援の取り組みをスタートしました。
車の提供や運転をする世話人と利用者をそれぞれ募集。現在、世話役 10 名、利用者 12 名ほど。利用の都度、間に事務局を介すると経費がかかるので、初めに、担当する世話人を決め、お互いに出来るだけ負担にならないよう契約を結んでいます。
コミュティバスは、3 路線、1 日 5 往復程度あります。それでも、困っている方もおられるし、免許返納をためらう方もおられます。

いろいろな取り組みをするなか、地域の皆さんが、今一番困っていることは、移動です。八川地区から奥出雲病院まで 10km ほどをタクシーで移動すると往復で 7 千円程度かかり、高齢者には負担が大きいです。
1 人の世話人が担当するのは 1 ~ 2 人の利用者。主に買い物や通院に利用されています。
ガソリン代、駐車場代といった実費しかいただきませんが、お互いに親戚が増えたつもりで支え合いをされています。
世話人の高齢化、実費のみであるため利用を遠慮される等の課題はありますが、今後も継続されていくとのことです。