令和 2 年度 住み良い地域をつくる「鳶巣 (とびす) お助けマン互助会」(出雲市 鳶巣慶人会)

 
草刈り作業。緊急時に備え、作業は 2 名以上で行います。
草刈り作業。
草刈り作業。
定例会の様子
定例会に集まった協力会員の皆さん
住み良い地域をつくるため、何が出来るか。会員外を含む地域の高齢者や障がい者を対象に住み慣れた鳶巣地区で出来るだけ長く暮らすことが出来るよう、日常生活のちょっとした困り事を支援するため、青年部を中心に「鳶巣お助けマン互助会」を立ち上げ、有償ボランティアの仕組みづくり、支援を行っている鳶巣慶人会の活動を紹介します。

鳶巣慶人会は、3 クラブ、会員 263 名 (R2 年 4 月現在) の地区老人クラブ連合会です。
自治協会副会長でもある富田精一会長が「地域の子どもたちのために何か出来る事はないか」と、平成 18 年から小学校の長期休暇と授業のある時は月 1 回、高校教諭の経験をいかして、子どもたちの学習支援を行う「ゆめひろば」を開設しており、鳶巣慶人会では、鳶巣幼稚園の園児と一緒に田植えや稲刈り、餅つき、おにぎりパーティ等の世代間交流を行っています。
子育て支援と並行して「地域の高齢者のために何か出来る事はないか」と考えていたところ、鳶巣コミュニティセンターの研修会で「ひえばらお助けマン互助会」の視察に出かけ、鳶巣地区の皆さんにも困っておられる方がおられるだろうと、平成 25 年 9 月に「鳶巣お助けマン互助会」を開設しました。
ちょっとした困り事を支援してもらう事が出来れば、高齢になっても自分の力で生活を継続出来るのではないか、まずはやってみようと、鳶巣慶人会の青年部 4 人を中心に立上げ、開設の案内を全戸配布して周知を行い、会員外の地域住民にも働きかけて支援を行う協力会員 (2 名) として賛同を得て、10 月に協力会員 15 名で活動を開始しました。

庭木の剪定や草刈り、室内の模様替え (夏場の建具・敷物交換等) 等の生活支援や病院の付き添いを行っています。
草刈り機等の支援に必要な資材は、協力会員が各自持ち出し、燃料代や替え歯の購入代、傷害・賠償保険料等に利用料金を充てています。
平成 28 年 11 月には、出雲市老老介護生活支援サービス提供事業者の指定を受け、介護保険給付対象外サービスを対象に利用出来るサービス利用券の利用が可能となりました。
老老介護生活支援サービスについて (出雲市役所ホームぺージ)

当初の利用会員 12 名。依頼は、女性の独居の方からばかりでしたが、口コミのおかげか徐々に高齢者のみ世帯にも広がりました。
日常生活の困り事は、外からは見えにくく、また当事者からは声があげにくいようです。はじめは「こんな事、誰かに頼む事じゃない」という事を言われ、申し訳ない思いをしておられるようですが、支援後には「助かった」と本当に喜んでいただいています。
忘れられないのは、高齢者のみ世帯の男性が、奥様を独り残して亡くなられる 2 ~ 3 ヶ月前に支援にうかがった際、草刈り後にとほっとしたように言われた「こういう事もやって貰えるのか、安心したわ」。後から思えば、おそらく先が長くはない事を感じておられるなか、残される奥様を案じておられ、困った時に助けてくれる人が身近に居る事に安心されたのだと思います。

利用会員の登録は、令和 2 年 3 月現在 58 名。当初 1 年間 (平成 25 年 10 月~平成 26 年 9 月) の活動は延べ 60 件でしたが、口コミ等で徐々に利用が増え、前年 (平成 30 年 10 月~令和元年 9 月) の活動は延べ 100 件です。
支援内容の多くは、草刈りや庭木の剪定ですが、最近ではゴミ収集所の回収後の当番掃除、盆前の墓掃除、自治会の草刈り代行等、依頼内容が広がっています。
幸い現在まで事故等ありませんが、念のため民間保険会社で傷害と賠償の保険に加入しています。
また、毎月第 1 土曜日に定例会を開催し、協力会員同士で報告や今後の検討等の情報交換を行う場を設けています。

最近は、あまり雪も積もりませんが、2 ~ 3 年前の大雪の際、車が通らない通学路 300m をボランティアで雪かきを行った有志が会員におられ、なるほどと思いました。今後、協力会員と相談しながら雪かき等の支援も活動に取り入れていきたいです。
支援を行う協力会員は 70 歳代、支援を希望される件数は徐々に増えています。今後も活動が継続してしていくために 50 歳代、60 歳代の若い人にも協力して貰いたいので、利用された方からの感想や活動中の写真等、広報により情報発信をして、活動に賛同いただける方を増やしていきたいです。