令和 2 年度 見守り・支え合い「友愛活動」~いま、出来ること~ (松江市 大庭地区高齢者クラブ連合会)

 
女性部を中心に、地域の学生にも協力を得て作成したマスクは 312 枚
見守りのきっかけ、情報提供・啓発、会員加入促進などのために作成した数々
大庭地区高齢者クラブ連合会会長の荒木邦典氏
荒木会長所有の空き店舗でサロンや役員会を開催
荒木会長所有の空き店舗でサロンや役員会を開催
暑中見舞い訪問は 8 月 6 日からスタート。会長の荒木邦典氏 (写真右)、評議員の金森氏 (写真右から 2 番目)、副会長の井上啓史氏 (写真右から 3 番目)
暑中見舞い訪問
暑中見舞い訪問
暑中見舞い訪問
暑中見舞い訪問
新型コロナウイルス感染症の影響による活動自粛のなか、閉じこもりがちになる会員の孤立防止のため、見守り活動強化を図る大庭地区高齢者クラブ連合会の活動を紹介します。

松江市大庭地区を 3 つの単位クラブ「松クラブ」「竹クラブ」「梅クラブ」で地域を分け、それぞれの地域から評議員 22 名を選出し、執行部による役員会、役員会で提案された内容を深める評議員会を毎月開催しています。
毎月の評議員会にあわせて、松江市包括支援センターから講師を招く等により、リーダーの知識向上を図るための研修を行っています。
研修を通して、さまざまな活動のなかで気になる方を発見した際には、包括につなげる事が出来るよう、顔の見える関係づくりにつながればと期待しています。
令和元年まで民生委員を 15 年間務め、地区社協会長の経験もある荒木邦典氏が会長に就任した平成 29 年から 3 年をかけて、若手会員の役員登用を図り、75 歳前後の方を対象とした魅力ある活動に取り組み、毎年の新規入会 20 名を目標にしています。

○フォトコンテスト開催と加入促進活動
令和元年は新規事業として「フォトコンテスト」を開催しました。半年程度をかけて開催案内と入会案内を配布して周知を行い、出品作品 28 点のなかから優秀作品を地域の文化祭に出品展示。文化祭で入会案内とポケットティッシュを配布して活動の PR をしたところ、その場で 4 名入会していただきました。

○交通安全運動にあわせた加入促進活動
交通安全運動の際には、スーパーマーケットの前で、古志原交番の所長さんと、交通安全の啓発チラシと一緒に、入会案内とポケットティッシュを配布しました。
ポケットティッシュには、松江市高連スポーツ大会で採用されたスローガン「笑顔で今日も 1 ・ 2 ・ 3 」を大庭地区高連の PR として挟みました。
交通安全と入会案内のチラシだけでは、なかなか手に取って貰えませんが、ポケットティッシュがあると手に取って貰えます。

○サロン「談笑会」開催
高齢者同士の見守りの場にもつながるサロン活動は、荒木会長所有の以前は喫茶店であった空店舗を地域に開放して、毎月第 1 月曜日に開催しています。
会計担当者はいますが、運営は参加される皆さんでやっていただいています。
大庭地区の各町内で市社協事業のサロンも開催されていますが、「談笑会」は地区内のいろいろなところから集まって話しが出来て楽しいと喜ばれています。

○公園の環境整備による自主財源づくり
公園の環境整備 (年 2 回) を受託しています。役員を中心に行っていますが、「家で閉じこもってはいけんので、草 1 本抜くだけで良いけん出なはいや。外だし、2 メートルあけてな」と声をかけ、「ほんな、出えか」と会員にも気楽に参加してもらっています。

○いま、出来ること
新型コロナウイルス感染症が発生し、影響が少しずつ大きくなって来ました。
感染予防のため、やむを得ず活動の自粛。3 ~ 5 月は地域活動の拠点である公民館も貸出停止で利用出来なくなり、地域行事が次々と中止になりました。
外出を出来るだけ控える状況は、いつまで続くか分からない孤独を感じて本当に辛いものでした。

集まって活動することが難しいなか、例年通りの事業は出来ません。役員会で話し合い、いろいろな「きっかけ」を作って訪問活動をすることにしました。

4 月は、感染症予防のための啓発チラシを配布して情報提供を行いました。

マスク不足が続くなか、手づくりマスクを配布しようと女性部を中心に、役員の家族、地域の学生にも声をかけて協力していただき、出来上がったマスクは 312 枚。
会員 180 名、約 150 世帯を評議員 22 名で訪問する地域割りをして、5 月に全会員へマスクを届けました。その時心がけたのは、ポストに入れるのではなく「どうですか」でも何でも、顔を見て一言声をかけること。
残りのマスクは、小学校、学童、幼稚園、民生委員、交通安全の指導員、公民館職員へ寄贈しました。
手づくりマスクをきっかけにした訪問活動は、(株) 山陰中央新報社へ情報提供したところ、6 月 2 日発行の山陰中央新報に掲載していただきました。

8 月は、熱中症予防の啓発チラシと一緒に、水 (2 リットル) を会員一人に 6 本ずつ持参して、暑中見舞いの訪問活動を行う予定です。
地区高連の研修旅行で工場見学に出かけた大山の水を発注しました。少し高価ですが、なじみのある美味しい水で、喜んでいただけるのではないかと思っています。

残念ながら、今年は出来ないこともありますが、一人月 100 円の会費や補助金の他、公園の清掃活動を請け負う収入がありますので、見守り活動を強化する財源はあります。会員に喜んでいただける、元気を出してもらえる活動をしたいと思います。

今の高齢者は、元気な方がたくさんおられます。会員の皆さん、これまで時代を成した方。それぞれ得意なことを持っておられます。
研修や啓発によって意識を持っていただき、皆さんが役割を持って、地域貢献をして自分たちも元気になれたらと思います。
例えば、子どもたちが帰宅する時間にあわせて庭先に出て、見かけたら「気をつけて帰りなさいよ」と自然な見守りができる地域づくり。180 名の見守りパワーです。