平成 28 年度 「せんだんカフェ」(片江老友会)

 
第 43 回全国老人クラブ大会「高齢者の居場所づくり」をテーマに行われた部会において事例発表をされ、また県内外の老人クラブをはじめ見学希望が絶えない松江市美保関町片江「せんだんカフェ」の活動を以下のとおり紹介します。

◆取り組みのきっかけ
地域のデイサービスセンターが一部閉所されるにあたり、利用者(元気高齢者)の交流の場づくりという議題を福祉推進員が会議から持ち帰り、民生委員・婦人会長・公民館主事など有志 8 人(当時 55~70 歳)が集まって相談をしました。
平成 18 年 2 月、遠洋漁業発祥の地として全国に名を馳せた「片江船団」の「せんだん」を名称にボランティア活動を目的とした会を有志 8 人で発足しました。
他県で活発に取り組まれているカフェの視察に行くなど勉強もして、福祉推進員や市社協職員の指導を仰ぎながら、まずはカフェを月 1 回開いてみました。
75 歳以上の元気高齢者宅( 26 ~ 28 人)へ利用案内に訪問し、当初の利用は 5 ~ 6 人でした。
お茶を飲むだけではと手芸・折紙や劇団結成など活動の案を出し合い、試行錯誤しました。利用される方に誘い合って来てもらい、徐々に利用者が増えました。

◆せんだんカフェの活動内容
デイサービスセンター建物の一部空きスペースを草刈・清掃等の管理を年数回行うことを条件に借用し、老人クラブ会員約 20 名のスタッフで運営しています。
毎月第 1 月曜日に開店し、参加費 300 円で本格的なコーヒー・紅茶・抹茶とケーキでおもてなしをします。「せんだん朝市」を同時開催し、地元で採れた鮮魚・干物や農作物、炊き込みご飯、会員の手作り品等の販売を行っています。
炊き込みご飯は、以前、配食の調理が行われていた施設を借りて女性会員が手作りし、参加できない独居高齢者宅の手土産にして、見守りを兼ねた訪問も行っています。
身体の不自由な人の送迎も行い、敷地内のふれあいセンターで開催される高齢者向けの体操教室に来られた人も帰りに寄ってくださり、毎月の来店者は 70~80 人です。
そもそもの目的が収益ではなく「みんなを元気にする」であり、会員が自然に「自分たちがしないといけない」と主体的に関わり、会員はもとより地域の交流の場として、カフェも朝市も喜ばれています。
また、市内各地の学校の子どもたちが授業の一環として参加し、運営スタッフと一緒に配膳や販売等を行い、お茶の入れ方や接客を教わる等の交流も行っています。